“砂浜清掃イベントとウミガメの産卵”
5月30日は「ゴミゼロの日」です。
下田海中水族館では昨年より、この日に合わせ下田市吉佐美の大浜に本部を設営し、下田市吉佐美区や下田海上保安部との共催で市内の砂浜の清掃イベントを始めました。
今年は日曜日である5月29日に実施し、地元住民だけに止まらず県内外から合計150名ほどの参加者があり、約450kgものゴミが集まりました。ゴミの内容を見ると、いわゆるプラスチックゴミの割合は少なく、多くは流木などでした。
日頃よりサーファーや市民の方々が砂浜の清掃を行っており、その成果だと思うと共に、よい事だと感じる結果でした。
私たち水族館が、このようなイベントを実施したのには理由があります。それはウミガメの産卵にあります。
下田海中水族館は、下田市を中心にウミガメの調査を開始して今年で32年目を迎えました。この活動によって下田市の砂浜には、ほぼ毎年アカウミガメが産卵に来る事などが明らかになりました。また地元の方々への周知も進み、その関心も年々高まっています。
このウミガメですが、産卵のための穴を掘った際にゴミなどが出てくると産卵を諦め、海に帰ってしまう事が珍しくありません。
実際に昨年は大雨によって運ばれて来た流木や枝などの多くが砂の中に埋まっており、穴は掘ったものの産卵を諦めた事例が確認されています。
今年はというと、砂浜清掃イベントを行って間もない6月4日の産卵を皮切りに、7月末日までに6回の上陸と5回の産卵が確認されており、私たちスタッフは「清掃イベントのおかげ?」と冗談を言いながら喜んでいます。
今後もウミガメにとって、産卵に適した砂浜であり続けるよう、地域の皆さま方と共に取り組んでいきます。