“水族館の社会的役割「教育」について”

水族館には主に1.教育、2.調査研究、3.種の保存、4.レクリエーションといった4つの役割があります。

今回はそのうちの1つ、「教育」についてお話します。

あまり知られていませんが、水族館は博物館相当施設です。

博物館との最大の違いは、生物を展示するところにあります。

本や映像からでは知る事のできない生き物の命を感じることができます。

そこに掲示される展示パネルには、飼育員が工夫を凝らした生き物の生態や秘密を知るヒントが書かれています。

それを読んだうえで実際に観察することでかなり勉強にもなります。

また、イルカショーをはじめとするショーは、その動物が持つ身体能力や認知能力を短時間で楽しみながら学べる優れた展示方法でもあります。

楽しみながら学べることは、水族館の最大の特徴であり強みともいえます。

さらに、近年では水族館の行う教育は、来館者だけにとどまりません。

学生たちに向けた磯観察会や、講義の実施や、実習の受け入れ、夜の水族館体験などをも行っています。

磯観察会では、実際の磯で生物を観察しながら周りの環境についても学んでもらっています。

講義ではイルカやウミガメなどの動物の生態について学んでもらい、夜の水族館体験では普段体験できない、滅多に見ることが出来ない生き物の生態や活動について学んでもらいます。

自然やそこに棲む生物との関わりが希薄となった現代では、水族館が行う教育の重要性も高まっています。