SDGs ストランディング報告

下田海中水族館では、以前より近隣の海岸で起きた海洋生物のストランディングへ対応し てきました。

今年、当館が対応したストランディングは以下のとおりです。

20224月 ~10月)

・ザトウクジラ:1

・マッコウクジラ:1

・アオウミガメ:5

・種不明のウミガメ1 

※全て死亡漂着

ストランディングとは、

海洋生物などが陸地へ打ちあがり、自力で海に戻る事ができない状態や、死んで 流れ着いたものをストランディングと言います。

伊豆半島でも時々見られ、下田 海中水族館では、調査研究および保護活動の一環としてストランディングに対応 しています。

水族館が担う役割

生存している場合

特にイルカやクジラなどの場合は、まず海に返すことを試みます。しかし、再び打ちあ がってしまうなど、疾病やケガでこのままでは死んでしまうと判断した場合には水族館へ 運び込み治療を行う事もあります。

ちなみに国内では、イルカなどの治療に関する知識や 経験を持ち、そのために使えるプールなどを有するのは水族館以外にはありません。

死亡している場合

種の特定、雌雄判別、計測を行い関係機関への報告のほか、可能であれば解剖を行い、 食性やなぜ死亡したのかの手掛かりを探します。

特にイルカやクジラなどの大型海生哺乳 類は詳しい生態が分かっていない種類もあり、このようなデータの蓄積は重要です。その ために、行政と研究者のパイプ役を果たすこともあります。 

みなさんがもしこのようなストランディングの現場に出くわした場合はむやみに触らないようにしましょう。

なぜなら、人にも感染する病気を持っている可能性があるからです。

先ずは近くの水族館もしくは、市役所などに連絡をし、指示を仰ぐことをお勧めします。

今後も弱った個体の救出はもちろん、調査活動を積極的に行い、生態などの研究へ寄与していきたいと思っています。

(写真:マッコウクジラ 体長460cm)