2024年 ストランディング報告

【ストランディング報告】

下田海中水族館では、以前より近隣の海岸で起きた海洋生物のストランディングへ対応し てきました。2024年に当館が対応したストランディングは以下のとおりです。

スジイルカ1頭、
ハナゴンドウ1頭、
アオウミガメ7匹、
種不明のウミガメ1匹

ストランディングとは、 海洋生物などが陸地へ打ちあがり、自力で海に戻る事ができない状態や、死んで 流れ着いたものをストランディングと言います。伊豆半島でも時々見られ、下田 海中水族館では、調査研究および保護活動の一環としてストランディングに取り 組んでいます。

水族館が担う役割 生存している場合

特にイルカやクジラなどの場合は、まず海に返すことを試みます。しかし、再び打ちあ がってしまうなど、疾病やケガによりこのままでは死んでしまうと判断した場合には水族 館へ運び込み治療を行い、個体の回復に努めます。ちなみに国内では、イルカなどの治療 に関する知識や経験を持ち、そのために使えるプールなどを有するのは水族館以外にはあ りません。

死亡している場合

種の特定、雌雄判別、計測を行い関係機関への報告のほか、可能であれば解剖を行い、 食性やなぜ死亡したのかの手掛かりを探します。特にイルカやクジラなどの大型海生哺乳 類は詳しい生態が分かっていない種類もあり、このようなデータの蓄積は重要です。その ために、行政と研究者のパイプ役を果たすこともあります。

みなさんがもしこのようなストランディングの現場に出くわした場合はむやみ に触らないようにしましょう。なぜなら、人にも感染する病気を持っている可能 性があるからです。先ずは近くの水族館もしくは、市町村の役場などに連絡を し、指示を仰ぐことをお勧めします。

今後も弱った個体の救出はもちろん、調査活動を積極的に行い、生態などの研究へ寄与 していきたいと思っています。

写真:アオウミガメ 2024年4月26日 下田海中水族館撮影

写真:アオウミガメ 2024年4月26日 下田海中水族館撮影