“黒潮の動きと海温上昇がもたらす生態変化:カルイシガニ静岡県初記録”

カルイシガニ

「季節来遊魚」をご存じですか?

季節来遊魚とは、主に東南アジアや南シナ海などの暖かい海域に生息する魚類やその他の生物が、黒潮に乗って日本の太平洋沿岸にやって来る現象を指します。これらの種は夏から秋にかけて温帯域で観察され、冬になると姿を消します。

詳しくはこちらをご覧ください: https://shimoda-aquarium.com/seasonal-fish/

昨年9月末、静岡県でこれまで記録のなかったカニが捕獲されました。「カルイシガニ」と呼ばれる種で、名前の通り軽石に似た外見が特徴です。

これまで本種の出現は和歌山県や三重県以南の海域でのみ記録されていましたが、今回の発見により静岡県での初記録となり、本種の分布の北限が更新されました。

この変化は、2017年から続く黒潮大蛇行や海水温の上昇といった環境変化が影響している可能性があります。

本種の繁殖生態や成長記録が明らかになれば、伊豆半島でどの程度の期間生息していたかを推定できるでしょう。

本種が季節来遊魚として一時的に到来しているのか、越冬しているのか、あるいは当地で繁殖しているのか、今後の動向が注目されます。

今回のカルイシガニの静岡県初記録および北限更新については論文としてまとめられ、発行されました。

https://journal.kagoshima-nature.org/052-053/

確認された個体について、今後も継続的に調査・研究を行っていきます。