飼育実習と博物館実習の受け入れについて

今や水族館や動物園の飼育員は、人気職業の1つとなりました。

その事を反映してか、全国各地に飼育員になるためのカリキュラムを備えた専門学校も増加傾向にあります。

また、水族館や動物園は博物館相当施設でもあるため、学芸員を目指す大学生の中には水族館や動物園を学びの場として選択する学生も増えています。

下田海中水族館では、将来水族館の飼育員を目指す学生を主とした実習の受け入れを続けてきました。

実習では、一般的な職業観や勤労観を学ぶことは勿論、飼育員の指導の下、実際に動物に触れあいながら、飼育員の考え方や飼育管理について多くの事を学ぶことができます。更に学芸員実習では、学芸員になるために必要な専門的事項を、実際の現場で体験することで、学芸員としての知識・技術は勿論、利用者への情報の伝え方などの訓練をすることができます。

実習中は、飼育員の考えや思いを直接聞けるなど、学校では得られない貴重な時間になると思います。今後も目標に向かって進む学生に対し、可能な限り実習の場を提供いたします。

「ごみゼロの日」に砂浜の清掃イベントを初開催しました!

2019年より、下田海中水族館では周辺の海岸の清掃活動を毎月1回、従業員で行ってきましたが、2021年5月30日(日)に、下田海中水族館としては初めてとなる一般の方の参加を募った清掃イベントを、下田市内の砂浜開催、実施しました。

当日は、地元や県内の方を中心に計150名ほどの参加を頂き、それぞれの思いの中、汗を流しながら回収場所と砂浜を、幾度も往復する参加者の姿が印象的でした。

1991年から始めたウミガメの調査活動の結果、下田市の砂浜には、ほぼ毎年アカウミガメが産卵のために上陸することが判っています。

今年も間もなく始まるアカウミガメの産卵を前に、行った清掃イベントで集められたごみの総重量は、なんと320kgにもなりました。いわゆるプラスチックごみの占める割合はそれほど多くなく、大半は枝や木片でした。そのようなごみであっても、産卵や孵化した仔ガメが海に向かう際の障害となる事があるため、砂浜から撤去できたことは良かったと考えます。

下田海中水族館では、ウミガメの調査・保護活動と共に、来年以降もこの砂浜清掃イベントを5月30日の「ごみゼロの日」におこなって行く考えです。

《調査・研究〜ウミガメ》

下田市は、静岡県の伊豆半島のほぼ先端に位置します。リアス式海岸が形成され、大小10以上の白い砂浜が存在し、夏には多くの海水浴客で賑わいます。

下田海中水族館では、1991年より下田市を中心にウミガメの産卵調査・保護を開始、ほぼ毎年アカウミガメが産卵していることが分りました。他にも衰弱したウミガメの救助や死亡して流れ着いたウミガメの調査も行っています。

また、静岡県希少野生動植物保護監視委員も受託しています。

《調査・研究〜サンゴ》

伊豆半島はサンゴの生息地ですが、調査・研究については断片的であまり行われて来なかったため、分布状況やその変化については解っていません。

この伊豆半島のサンゴの分布状況について、2018年より筑波大学と新江ノ島水族館との共同研究を開始しています。

状況が明らかになる事で、近年問題となっている温暖化や酸性化といった海洋環境の変化を記録し、水族館を通して皆さまに知って頂くことで、環境について考えるきっかけを作りたいと考えています。

《ストランディング》